U-FORUM MUSEUM
宇フォーラム美術館
スケジュール
展覧会情報
概要
平松 輝子
二紀 和太留
坂田 一男
ご連絡先・交通案内
平松輝子
Japanese English German French
平松輝子の芸術 「伝統と革新」

平松輝子は日本より海外で活躍した現代美術の画家であるが、彼女は常に日本的なるものを追及してきた。日本の伝統美術の正統的精神の系譜を引き継ぎながら、現代美術の最先端を目指した。伝統とは変わらないものではない。常に時代を踏まえて変化するもののはずだ。
また、平松輝子の芸術は変幻自在である。1921年生まれであるが今までの87年の人生で絶えず新たなものにチャレンジし続けたからである。さらに付け加えるとその特徴の一つは、「美しい」ということである。そしてその美とは日本の美の系譜に沿った極めてオーソドックスなものであると同時に、誰もしなかった手法と表現による革新性が同居している。そのことは画を見れば容易にわかるが、本文は文章による解説をしたものである。
ではそもそも日本の伝統文化の基本とは何なのか。日本の文化の端緒は紀元前の縄文時代や弥生時代にさかのぼる。
日本は山が多く、そのため雨と水に恵まれた日本列島の風土は稲作に適していた。日本全国に稲作が広がるにつれ、人々の関心事は天候のこととなる。太陽の膨大なエネルギーは絶え間なく地上に降り注いで、山川草木を豊かに生育させる。動物もまた健康に生き続けることができる。
地球上の生命の元は太陽であり、太陽の生成力によってすべての生命がはぐくまれることを人々は直感した。太陽は偉大である、という考え方は神道という宗教的な考え方に発展していった。

1/10 next